ARCHIVE
SHIBUYA ART AWARDS 2017
大賞/ Shibuya for SNBA賞 Winner
決シテ瞋ラズ
西垣 肇也樹 Hayaki Nishigaki
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今村有策賞
こどもmask えりまき
森本 由貴子 Morimoto Yukikoマスクをかぶる行為は色々な意味を持っている。こどもの遊びであったり、神聖な儀式であったり、身近なものから神聖な雰囲気を持つものもある。私の作品にとってのマスクの意味は『かくす』ことにある。顔の一部でもマスクで隠すことで表情や感情が見えくなる。
そこで、見えない部分を人は創造力で補おうとする。
「こどもmask」のシリーズは、可愛らしい子どもにマスクを被せることで、すこし不気味でいたずらを仕掛けてきそうなモンスターに変身させている。
モノクロであることも人の想像力をかきたて、服にも複雑にテクスチャを使用し、近づきじっくりと観賞したくなる作品を目指した。 -
小山登美夫賞
Abstract frame 8-2
青木 悠太朗 Yutaro Aokiモノが置かれることによって、その周りにある空間を強く感じることがある。
それは実体としてあるものではないが、確かに認識する事ができる。
作品を配置する事によって、空間という目には見えない要素をかたちと同等に捉えられるようにしたい。
作品は複数の枠が組み合わさったかたちで出来ている。
一つの空間を、一つの枠、輪っかと捉え、その枠同士が繋がり、重なり合うことで新たな空間が現れてくる。渋谷の街は開発でビルが立ち並び、道路が入り組み、さまざまな人々が現れ、日々状況は変化する。そのような何かが複雑に重なり合うことで起こる、新たな発見や状況は制作において重要な要素であると考えている。 -
綛野匠美賞
ゆめか うつつか まぼろしか
近藤 南 MINAMI KONDOアーティストステイトメント
夢のことなのか、現実に起こったことなのか、それとも幻だったのか。
思い返してみても、未だにあれはなんだったのだろう、と思う出来事がある。
それらは余りに突然やってくるため、私はいつも呆気に取られ、その落とし所が分からない。
分からないからいつまでも、心の中をゆらゆらと漂っている。
それは幾分、気持ちが悪い。
だから分類不明のそれらを掴んで、形にしてみる。
気持ちの悪さは払拭されるか、はたまた更なる何か別の感情を引き起こすのか。
怖いもの見たさで、挑戦してみる事にする。 -
平泉千枝賞
Bloom
(2017年9月11日/ Rest in Peace)山本 しほり Yamamoto Shihori私は長年、双極性障害というものに苦しめられてまいりました。周囲からの理解が得られないことに苦しみ、私はなぜここにいるのか?生きるということはどういうことか?と常に考えながら生活をしてまいりました。まるで他人に支配されたかのような自分の体をただ抱きしめ、孤独と共に前に進んでまいりました。美術はこの私の生活に、華やかさと生きがいを与えてくれます。
Bloomとは日本語で「開花する」「満開」という意味があります。私はまるで日記を書くように、その日の体調や感情に任せて、言葉にならない気持ちをこのBloomシリーズを記し続けています。そこには、偏見や孤独に耐えながらも「私は私らしくここで満開に咲いている」という意味が込められています。時間という概念が湾曲し、混沌とする中で、描き続ける作品には完成した日付(時に完成した時間も含む)がそれぞれにサインされています。とりわけ、自分の家族の誕生日や両親の結婚記念日にむけて作品を完成させることが多く、そこには私という命への命のつながりへの思いが込められています。アメリカだけでなく、帰省に帰った日本でも絵を描き、その日をその場所でどのように生きたかを描き残しています。作品は、インクもしくは日本画の絵の具を使って、水彩紙や和紙に、習字用の極細筆で描かれています。
草間彌生が統合失調症への理解を世界に広めたように、私と私の作品を媒体として、双極性障害という病気が、偏見や誤解から逃れ、一つの才能として、世界中の人に理解されることに貢献できればと思います。 -
小松美羽賞
My Infinite Possibilities - 私の無限の可能性 /
Victory of Macrophages and Glial Cells
(勝利のマクロファージとグリア細胞)Koko koko2017春、私の血中に菌が増え続けた。私のマクロファージ(白血球)は一生懸命、菌と闘ってくれた。でも私のマクロファージは菌になかなか勝つ事ができなかった。毎日毎日、菌は私の体の中で増え続けた。何人もの医師が菌の増殖の理由がわからなかった。その後、一人の医師と検査技師が現れ増殖の原因を発見した。手術は直ぐに別の医師により行われた。私の体を救ってくれたのは、最先端医療の医師やスペシャリスト達。
この作品には、私の体と言う人間のミクロの世界の中で繰り広げられた最先端医療の医師やスペシャリスト達の愛や志が描かれています。 -
天野タケル賞
小泉さん
古屋 郁 Kaoru Furuya前髪をセンター分けにした美人の肖像画です。 -
区長賞
記憶の交差 「あの日・・・昨日」SHIBUYA
吉田 征輝 Yoshida Masateru渋谷駅東口側の開発前の景色と今の渋谷、開発中の活気と雑然の風景を応募規定の範囲の、一つ画面に作って見ました。 -
Shibuya賞
connect project
大平 暁 satoru oodairaconnect project
全国の障がいのある人達が通所している作業所で行われている、※さをり織りの残り糸を結びつなげて、それを有償で譲り受け、更に色々な人達で結びつないでいくプロジェクトです。それぞれの地域で行われるさをり織りの残糸を色々な人が結び、つなげて形にします。アートによってつながっていく、そして多様性を持った未来へと糸をつなげ、新たな価値を創出します。
触覚の抽象表現
そして、この作品には未知の表現が隠されています。それは視覚障がいの人へも伝わる表現です。現在の点字というものがない頃、結び文字というものが存在していました。紐の結び目でいろはを表し、文字として認識する方法です。この作品の結び目に触れることで、もうひとつの未知の表現を体感することができます。ランダムに結ばれた、さをり糸からはどのような、抽象的点字表現が現れるかは視覚的にはわかりません。しかし、点字を読み解くように、触れることでこの作品の未知の部分を感じとることができます。障がいあるなしに関わらず、触覚を通じて伝わるアート。新たな※HAPTICアートとしての価値をデザインして行きます。 -
明日の神話保全継承機構賞
キカイシャカイ
田村 幸章 kosho tamura無機質で機械的な美を表現したい。日々、機械化される現代社会の寂しい中に存在する繊細で美しい機械美を、あえて手描きアナログ制作することで、より魅力的なデザイン、芸術性を見出したいと思っています。 -
オーディエンス賞
Woman ‘s face
藤原 悠里 YURI FUJIWARA女性のポートレートを象形文字で表現しました。
象形文字は3000年前の中国の西周時代の金文を書いています。
書いている文章は金文の古典、「 鼎」から臨書しています。
入選作家Nominate
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三隅 幸 Kou Misumi
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くまかなえ KANAE KUMA
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Yokoteen Yokoteen
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中川 幸嗣 Koji Nakagawa
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水谷 隼人 Hayato Mizutani
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麻生 ふゆ Fuyu Asou
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CHULING CHANG CHULING CHANG
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たつみ tatumi
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佐藤 翔 Sho Sato
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高橋 喜人 Takahashi Yoshito
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玉井 佐知 Sachi Tamai
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三宅 玄朗 miyake genlow
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家出少年ノススメ IEDESHOUNENNOSUSUME
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力丸 文次郎 RIKIMARU BUNJIROU
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佐藤 誠吾 Seigo Sato
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柳 早苗 Sanae Yanagi
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堀内 景子 Horiuchi Keiko
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七川 有子 NANAKAWA ARIKO
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嘉 春佳 Haruka Yoshi
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大澤 晴美 OsawaHarumi
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梶谷 令 Ryo Kajitani
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スタジオモーニング studio morning
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Sh1ntar0 SHINTARO
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杉澤 佑輔 Yusuke Sugisawa
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邱 仁添 Qiu Rentian
初代ゴジラは唯一被爆国民の代弁者として登場、上映されるも、時代の変化とともにヒーロー化を遂げ、環境問題を取り上げ、自身の息子も登場し父親へと変貌していく。ゴジラはある時代設定の中に配置され、コンテクストと自我の無い怪獣となってさまよい歩いてきた。自我の無いゴジラは何かを代弁する器としての価値(日本人)を持たされたのであるが、中身は初代ゴジラの本質とはかけ離れたものであった。 それに似た現象が現代の情報コミュニケーションの、ある一定の部分にも存在する。メールやSNSを始めとするネット上で行うものは、作者から離れた位置にコミュニケーション環境が設定されることで、そのコミュニケーションは常に管理される。また、その環境下に於いて様々な定型文のアプロプリエーションによって、特別な自我を無くされ記録され操作されていく。すなわち私たちのコミュニケーションはその環境下において無意識化を推進し、円滑なコミュニケーションを可能としている。
かつて自然が秩序として存在し、対話を図ろうと泥を塗り、コスメティックがコミュニケーションの欲求だったものが、欲求そのものの簡素化が進むことで、それが新たな秩序とする環境を可能にし、再設定されている。私は国芳の内在するものを見つめる視線、手法をパスティーシュすることで、器=ゴジラ(日本人)に定型文=秩序をコスメティックする。それは、記録材料としての墨を器としての怪獣にペーストさせ、内在するものの表面化及び、コミュニケーション欲求の秩序再考および再提示が目的である。